よくある質問
<1>公正証書遺言について
<2>証人について
<3>遺産分割の方法の指定の委託について
<4>遺言執行者について
<5>公正証書遺言の作成の手数料
<6>相続の紛争は次世代に持ち込まないこと
<7>遺伝の影響を受けるのか
<8>相談をしたいときは
<1>公正証書遺言について
【問】
自筆証書遺言と自筆証書遺言の違いを教えてください。
【解説】
公正証書遺言と自筆証書遺言の違いは、次に掲げるとおりです。
<2>証人について
【問】
公正証書遺言を作るときに、二人以上の証人の立会いが必要とのことですが、証人は誰になってもらってもいいでしょうか。
【解説】
次に掲げる者は、遺言の証人または立会人になることができません。
④遺言執行者(利害関係を有する者)
<3>遺産分割の方法の指定の委託について
【問】
遺産分割方法の指定を委託したいと考えておりますが、どのようなメリットがありますか。また、委託を受ける者は何かの資格を持っていなければなりませんか。
【解説】
遺産分割方法の指定をすることができる者は、被相続人本人と指定の委託を受けた第三者です。また、指定の委託を受ける第三者の資格要件はありません。
しかし、共同相続人は利害関係を有しますから第三者には入らず、指定の委託を受けることはできません。
遺産分割方法の指定、または指定の委託は必ず遺言でなされなければなりません。
相続が開始したときに指定の委託を受けた第三者は、相続人に対して指定の委託を受けるか否かの意思表示をしなければなりません。
相続分の指定は遺言者自らが行い、相続財産の相対的な配分を決めておくと共に、遺産分割方法の指定を第三者に委託しておけば、すべての相続財産を把握しなくても遺言者の意思を十分に反映させることができます。
相続が発生してから、指定を受けた第三者が具体的に遺産の分割を指定することになります。
<4>遺言執行者について
【問】
遺言執行者がなぜ必要ですか。
【解説】
遺言者は、遺言により1人または数人の遺言執行者を指定することができます。遺言執行者は、相続人の代理人とみなされ、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。
また、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為をすることができません。
したがって、遺言執行人は相続人に代わって相続登記・賃貸料受領・包括受遺者の遺産処分等の行為を行うことができます。
相続が開始したときに遺言執行者に指定された者は、相続人に対して承諾をするか否かの意思表示をしなければなりません。
相続人の間に意見の相違が予想される場合は、遺言執行人を指定しておくほうが賢明な解決策になります。
次に掲げる者は、遺言執行人になることができません。
②破産者
遺言執行者には相続人もなることができますから、被相続人の配偶者・子供・身内の者で信頼のおける方を指定されるほうが賢明です。
<5>公正証書遺言の作成の手数料
【問】
公正証書遺言を作るときの、公証役場に支払う手数料を教えてください。
【解説】
公正証書遺言の作成の手数料は、国が定めた公証人手数料令により定められています。
目的の価額 | 遺言のときの手数料(一般の手数料+遺言のときの加算手数料) |
---|---|
100万円以下 | 16000円 |
100万円を超え200万円以下 | 18000円 |
200万円を超え500万円以下 | 22000円 |
500万円を超え1000万円以下 | 28000円 |
1000万円を超え3000万円以下 | 34000円 |
3000万円を超え5000万円以下 | 40000円 |
5000万円を超え1億円以下 | 54000円 |
1億円を超え3億円以下 | 4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算 |
3億円を超え10億円以下 | 9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算 |
10億円を超える場合 | 24万9000円に5000万円までごとに8000円を加算 |
①手数料は各相続人等ごとに、一行為として手数料が計算されます。
証書の枚数および正本等の書類の交付などにより若干金額が加算されます。
詳細は最寄りの公証役場に確認をして下さい。
②遺言のときの加算手数料は、1万1000円となります。(目的の価額が1億円以下の場合のみ)
<6>相続の紛争は次世代に持ち込まないこと
【問】
父親が亡くなり、複数の自筆証書の遺言書がでてまいりました。その中には、ある特定の相続人(A相続人)に一切の相続財産を相続させない旨の遺言書も含まれています。また、遺言書にはすべての相続財産が含まれていません。相続人が集まって遺産分割の協議が行えるのか不安です。どうしたら良いでしょうか。
【解説】
法的に問題を解決する前に行うべきことは、A相続人が遺言書を見てどう理解しているのか、また、どう理解をしてもらえるのかを、A相続人と十分に話し合うことです。
話し合いのポイントは、次に掲げるとおりです。
A相続人および配偶者ならびに子供です。A相続人の家族を話し合いの対象にすること。
④根気よく話し合いを続けること。
すべて直ちに遺産分割協議の合意ができるわけではありません。根気よく話し合いをすれば、双方が納得のいく解決策が必ず見つか るようになります。
信頼のおける第三者に中に入ってもらい、行事役になって貰いましょう。行事役は、どちらかの方に肩入れをすると話し合いが上手くいきませから、必ず中立の立場で判断することが重要です。
話し合いが上手くいかなければ、法的な手続きをしなければなりませんが、子供達の代まで紛争が持ち込まれることを覚悟しなければなりません。しかし、解決の糸口は見出せるものと考えます。
法的な手続き等については、司法書士・弁護士等の専門家に依頼しましょう。
<7>遺伝の影響を受けるのか
【問】
子供が三人いますが、一人の子供は自分の性格によく似ています。遺伝の影響を受けているのでしょうか。
【解説】
動物の世界では血統が重要視されています。競走馬の世界においては、父方は短距離血統であり母方は長距離血統である等の情報により馬券が購入されます。またシモフリのいい肉質の牛は高値で売買されます。犬の世界においても然りです。
これら動物の運動能力・肉質・体型等は、すべてオスとメスから半分づつの遺伝子を引き継ぎますから、その間にできた子供は当然に親の才能を受け継ぐことになります。人間も動物ですから同じことがいえます。
イギリスのシールズの研究によれば、一緒に育てられた一卵性双生児と、別々に育てられた一卵性双生児とは、二卵性双生児よりも、「知能および性格」の面で強い相関関係を示し、お互いによく似ていることを発表しています。
父親から半分、母親から半分の遺伝子を引き継ぎますから、顔・形・声が遺伝すると同じように、「脳の構造」も遺伝するということですから、当然に「性格が内向的だ・外交的だ」とか「神経が図太い・繊細だ」、または「気性が激しい・温厚だ」などの性格も受け継ぐことになります。
遺伝は、その人の「基盤」「枠組み」「可能性」を提供するだけであり、一人の人間の形成にとっては、環境も大変重要な影響を与えることになります。
総体的に見て遺伝の影響を60%、環境の影響を40%受けるといわれています。また、兄弟すべてが同じ内容の遺伝の影響を受けるわけではありません。
<8>相談をしたいときは
【問】
相続の問題で困っています。相談をしたいと思いますが、遠方に住んでいますのでどうしたら良いでしょうか。
【解説】
お問い合わせ入力フォームのご相談欄に、相談内容を具体的に記入して下さい。回答できるか否かを含めて一週間以内に返事をいたします。
相続および事業承継などを解決するのは、結構永い時間がかかりますので身近なところで親密に相談できる人を持たれる事をお奨めします。
相談できる人と連絡を取り合いながら、よい解決策を見つけられるように協力いたします。
また、相談できる人が専門的な資格を持っておられる方ならば、なお好都合です。専門的な資格を持っておられる方とは、将来的に緩やかな連携を採ろうと考えております。
いつか暇を見つけて、当事務所にお越しいただけるならば幸いに存じます。