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相続のノウハウ:『「円滑な税務申告」のアドバイス』より

[2]オーナー役員給与の損金不算入

  • 一部損金不算入の取扱い
  • 特殊支配同族会社とは
  • 適用除外要件等
  • 損金不算入額
  • 基準所得金額について
  • 円滑な解決策の検討

(以下抜粋紹介)

議決権行使のみなし規定について

議決権行使のみなし規定は、法人税法施行令第72条4項に定められています。

法・法令第72条4項

個人又は法人との間で当該個人又は法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者がある場合には、当該者が有する議決権は当該個人又は法人が有するものとみなし、かつ、当該個人又は法人(当該議決権に係る会社の株主等であるものを除く。)は当該議決権に係る会社の株主等であるものとみなして、前二項の規定を適用する。

この規定の意味するところは、名目的な株主が保有する株式に対しては、実質的な株主が保有している者とみなして、実質的な株主が議決権を行使すべであると解釈すべきです。したがって、税法の実質課税の原則からすれば、至極当然のみなし規定です。

実質的な株主の議決権を制限できるのは、商法又は会社法の法律で定める、または定款で定める、若しくは株主総会の決議に基づいて定めるべきものです。

株主総会での決議は多数決で決まりますから、同じ内容の意思を持つものが多数存在しないと、株主総会での決議が成立しません。株主総会の前に、ある一定の株主が事前に相談して同一の内容の議決権を行使することは常識的なことです。

したがって、この条文では実質的な株主の議決権を簡単に取り上げることまで想定されているとは思いません。 「同一の内容の議決権を行使をすることに同意している者」とは、議決権は持っていても、何かの方法で自分の意思で自由な議決権を行使することが制限されている者、または名目的な株主を対象にしているものと解釈すべきです。

条文中の「個人又は法人」の範囲は、すべての個人およびすべての法人を含みますから、「法人」とは特殊支配同族会社に限定されるものではありません。 「会社」とは、特殊支配同族会社をいいます。

『議決行使権』イメージ図

上記内容の場合の議決権行使のみなし規定の取扱いについては、つぎに掲げる内容の解釈になると思われます。

No 関係者の区別 Aが実質的な株主の場合 Aが名目的な株主の場合
(A)と(B) Aが議決権行使する Bが議決権行使する
(A)と(C) Cが議決権行使する
(A)と(D) Dが議決権行使する
(A)と(E) 議決権行使できず(注)

(注)自己株式に該当しますから議決権の総数から除かれます

<私見>

税法は、常識論であると考えております。

1つの問題提起された事例に対して、常識的に判断した場合にどの様な解釈が成り立つのかをまず考えることにしております。

自分勝手に考えた解釈が、現行の税法、・政令・省令・通達と比べ合わせたときに、どの様に整合性が取れているのか否かです。いつも結構大きな隔たりがありますので日夜苦労の連続です。・・・・・・・・・・

整合性が取れていないときに考えることは

  1. 「なぜ」違うの?
  2. 違う原因はどこにあるの?
  3. 「なぜ」この条文ができたの? 条文誕生の背景を考えてみる。
  4. 税法・その他の関連する書物を熟読する。
  5. 自分で勝手に考えた解釈をまとめてみる。

「なぜ」の積み重ねにより、常識的に判断できる能力の精度を高めていけば、必然的に法律との整合性が取れていくと思われますが、そのためには長い年月が必要になってくると思います。 年齢を考えると時間との戦いでしょうか?


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